JR全線全駅の駅舎をめぐる鉄道の旅!全駅下車をめざしつつ駅舎の写真・画像を紹介します!秘境駅も満載
2005年08月06日

宗谷本線全駅訪問の旅(その3)

7月13日(水)

幌延で、特急利尻・札幌行きに乗り、
1:13美深に到着。

私ともう一人の乗客を降ろした夜行列車は、
轟音と共に暗闇の中へと消えていきました。

跨線橋を渡り、駅舎の中に入る。
かなり大きな駅舎で、待合室は広く病院のようにも見えます。

ひとまずベンチに座り、夜明けを待ちます。
幌延駅と夜行列車で眠ったので、全然眠くない。

文庫本が並んだ棚があったので、暇つぶしに何か読もうと物色。
お、太宰治!

ってここまで来て太宰か・・・、と思いつつも読みふける。
「恥の多い人生を送ってきました・・・・・・・・」


ええ、まあ私も・・・。


宗谷本線・美深駅




宗谷本線・美深駅ホーム次第にゆっくりと空が白んできました。

4:30駅探索を開始。
駅舎は真新しく立派だけれど、ホームはひなびた雰囲気で、
木造の跨線橋、錆びまくった上家が郷愁を誘います。

かつてはここから「日本一の赤字線」とうたわれた
「美幸線」が発着していたそうです。

日本一 赤字ローカル線物語 長谷部 秀見 (著)

には開拓時代からの仁宇布(にうぷ)の歴史と
廃止になるまいとする町長の奮闘記が書かれてるんですが、
これを読んだ後にこの駅に立つと、いたたまれない気持ちになります。




おおいに美深駅を味わった後、
私は隣の南美深駅まで歩き出しました。

この日の朝は霧が深く、50m先もまともに見えない。
途中から歩道もなくなって、車に轢かれやしないかと不安な道中でした。

宗谷本線・南美深駅約4kmを歩ききって「南美深」駅に到着。

短い木造ホームと、壁に鉄板を貼り付けた木造の待合室がありました。
周辺は10軒に満たない民家と農家が見える程度。
運行本数は上り3本下り4本と厳しい。




宗谷本線・南美深駅 待合室始発列車が近づくにつれ、学生が5人ほど集まってきました。
6名、内ヨソ者1名を乗せ、列車は名寄方面に向かいます。






宗谷本線・北星駅7:32「北星」駅に到着。

列車1両の半分が飛び出す小さなホーム。(この状況は何度見ても楽しい)
待合室が見えるが、雑草が冗談のように茂りまくっていて、
屋根の部分しか見えない。

歩いて近づくと「毛織の★北紡」の文字。
今は無き会社の看板ですが、待合室に独特の個性を与えています。

宗谷本線・北星駅 待合室とりあえず正面に進もうとすると、
巨大なクモ、そしてクモの巣。

よく見ると入口の通りには3つものクモの巣が張りめぐらされている。

・・・・。

クモ嫌いだし、クモの巣も嫌いなんだが・・・。
文句は言っていられない。私は先に進まなければならないのだ。

近くにあった枝などを利用してなんとか撤去。
このクモの巣があると言うことは、
今日の朝の利用客は一人もいなかったということでしょうか?

道路に出ると数軒の民家が見え、人も何人かいました。
店や自販は無さそうです。




宗谷本線・智北駅つぎに「智北」駅を下車。

それなりに学生が乗り込んでくる駅なのですが、
駅周辺には民家はなく、遠いところに農家らしき建物が数軒見えるのみです。
大半の学生は駅まで車で送り迎えとなっているので、
集落からは離れているのかもしれません。




宗谷本線・日進駅次は「日進」駅。

周辺は広い平地で、それなりに民家が多く見られます。
ホームは板張り。
妙に大きめな待合室がありました。
床が砂利です。これはいただけないけれど、
ベンチに座ると割に落ちつく待合室です。


宗谷本線・日進駅 待合室駅ノートを読んでみると、
近くにユースホステルがあるらしく、
そこの宿泊客の書き込みが非常に多い。
人気の宿なのでしょうか。

壁を見ると「徒歩5分」とYHの案内地図が貼られていました。




さて、私は隣の「智東」駅まで約5kmを歩きますよ。

地図によると、線路沿いに細い道が続いている。
どうやら冬季は閉鎖する道らしく、
道の入り口にはそれらしき門が備わっていました。

そういえば、この3日間ろくに寝てないし、
風呂にも入っていない。
体力無いのによくやるよなぁ、と
罵りつつも自分に感心したりする。

車にとっては近道なのか、
結構多くの車、トラックが通り過ぎていきます。

そして道はどんどん狭くなっていく。
「路肩弱し」の看板がいくつも立っている。
確かに路肩はボロボロと崩れてます。

落ちたら天塩川の藻屑と化すのか・・・。

狭い道で行き交う車を避けるたびにそんな考えが浮かぶ。



宗谷本線・智東駅ダラダラ歩いて(無理矢理体を持ってきたという感じ)1時間30分。
ようやく臨時の秘境駅「智東」に到着。

周辺に民家は全く見えず、いったい誰が利用するのか不思議な駅。

駅構内にはいると、先客がいるのか車が一台止まっていました。
どうやら保線員らしく、忙しそうに作業している。

とりあえず、先に車掌車駅舎の中を観察することにします。
まずクモの巣を払い(やれやれ)
中にはいると床には様々な虫の死体。

これではベンチにも座れない。
壁には写真が飾られていました。
なんとそれは木造駅舎時代の智東駅。
思わずその写真を撮影する。
昔は相対式ホームだったようで、駅員らしき人も写っていますね。

宗谷本線・智東駅 ホーム保線員が引き上げたので、ホームを撮影。
森に囲まれた駅で、夜降りたら恐ろしそう。

しかし特に見るべき物もなく、すぐに退屈する羽目になりました。
時刻は10:40。
次の列車は12:52。
あと2時間も何をすればいいのかと。

さすがの駅好きも、2時間(しかも待合室は虫だらけ)はキツイです。

体力も限界だし眠いので、
シートを広げて日陰で寝ることにしました。

外にも虫がたくさんいるけど、かまってられない。
とにかく寝ます。

スズメバチも来るけどかまってられない。
とにかく寝ま・・・・・・・・



スズメバチかよ!!!!!!!!




私は一目散で駅前の道路まで逃げました。

お願いだー、眠らせてクレー。

道路周辺には日陰もなく、寝られそうな場所はありません。
仕方なくまた駅に戻って眠る。

ハチ来るな ハチ来るな ハチ来るな

呪文のように唱えつつ、眠りに落ちました。


ZZZzzzzzzzzz・・・・




宗谷本線・智恵文駅待ちわびた列車に乗り、次は「智恵文」駅へ。

かなりボロボロになった車掌車ですが、中はわりときれい。
駅前には商店と自動販売機。
コーラをがぶ飲みします。




宗谷本線・士別駅その次は「士別」駅を下車。

平屋コンクリの駅舎で、タクシーが数台待機している大きな駅でした。
待合室には5人ほどの高校生が列車を待っていました。

ホームは2面3線、そして古い跨線橋。
特に見所はなさそうです。

あまり関係ないですが、
「いいひと」などを書いた漫画家、高橋しんさんの出身地だそうです。




宗谷本線・多寄駅その後「風連」駅を下車して、
本日最後の駅「多寄」駅へ。

片面1線の小さな駅。

待合室内には、多寄駅の歴史が書かれたものと、
駅舎の写真が貼られていました。

それによると、昭和61年までは立派な駅舎があり、
駅員もいたそうです。

平成12年に駅前の踏切ができて往来できるようになった、
とあるので、今の駅舎はその時できたものなのでしょう。

利用客はほとんどいないそうですが、
駅周辺は賑やかで、車の往来も激しいです。




17:00多寄駅を出発し、旭川に戻ります。
そして旭川からオホーツク7号でふりだしに戻り、
久々に風呂に入って、横になって布団かぶって寝ます。

天国だったのか地獄だったのか分らない最初の3日間を終え、
1日14kmとか歩いても何とかなるものだなと思ってしまいました。

でももうこんな行程はコリゴリです(自分で予定立てて言うのもなんだけど)。

とりあえずまだ、この先4日間の宗谷本線下車の旅が続きます・・・。





今日はオチのネタが見つからず諦めた、
というネタでいいかなと考えついた(もう2度と使えない)
つちぶたのHP→「つちぶた本舗の全駅訪問の旅











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