JR全線全駅の駅舎をめぐる鉄道の旅!全駅下車をめざしつつ駅舎の写真・画像を紹介します!秘境駅も満載
2006年08月06日

【秘境駅・小幌へ!】北海道廃止目前駅をめぐる旅(その17)静狩駅・礼文駅・小幌駅

2006年3月15日

長万部駅 待合室内長万部駅の待合室で始発を待つ間
ベンチに横になり、睡眠を取ります。

2時間くらい目を閉じていたのですが、
実際眠ったのは30分くらい。

ベンチがプラスチック製で痛いのと、
じわじわ伝わる寒さが気になってうまく眠れません。

途中で寝るのを諦め、
待合室内をただウロウロと歩き回っていました。

時折聞こえる先客の寝息が恨めしい。



長万部駅に停車中の始発列車5:20を過ぎたのを見て、私はホームに向かいました。

始発列車は既に来ていて、
気動車特有のうなりを上げていました。

乗客は私一人。
定刻に長万部駅を後にしました。

で、私はわずか9分の乗車で、
「静狩駅」に下車しました。

明け方の静狩駅に到着夜がまだ明けきっておらず、ホームは薄暗いですが、
北海道らしい茫漠とした景色はしっかりと見えます。

最初に降りた島式ホームは、乗降する部分だけしか
雪かきがされていなかったので、
いまいちうまい写真が撮れません。



室蘭本線・静狩駅 駅舎構内踏切をわたり、待合室内を通って駅舎を見ます。
きれいな板で覆われた駅舎ですが、
基はずいぶんと古そうです。

朝の冷え込みが厳しく、
カメラも持っていられないし、
外を歩いてもいられません。

周辺散策は駅前の道路で諦め、
待合室内で足踏みをして40分ほど列車を待ちます。




室蘭本線・礼文駅 駅舎次に「礼文駅」に下車しました。

相対式1面島式1面3線で、
静狩駅と同じようなホームの構造です。

駅舎は白色の洋風。
待合室内もそこそこ広いです。

駅前の通りには郵便局があり、
民家も多くあるように見えました。

海が近いはずなのですが、
どの当たりが海なのかよく分かりませんでした。




礼文駅を7:02に出発。
次は、今回の旅のメインではないのだけど、
たまたま近くの旭浜駅に行くことで、
たまたま行くこととなった、
キングオブ秘境駅「小幌駅」に下車します。

ある意味では数年越しの夢が叶う瞬間です。

列車がトンネルに入り、小幌駅に到着する旨の
アナウンスが車内に流れます。

私は荷物を持ち上げ、運転席後ろまで行きました。

列車はトンネルの中で減速し始めます。
トンネルを抜けると雪国であった・・・

いや、まあ、そうだけど、
トンネルを抜けた所に小幌駅がありました。

その光景を見て、血の気が引きました。
先程までの好奇心が、恐怖心に変わったのです。

「ありえない!こんな場所に駅なんて!」

それでも、半ば義務的な気持ちで小幌駅に下車しました。

列車が行ってしまうと、恐怖感は更に増します。

室蘭本線・小幌駅ホームホームはやたらと短く、両端がトンネルに挟まれています。
相対式ホームですが、向かいのホームまで少し距離がある。

線路と線路の間には雪山があるのですが、
どうやって、向こうに渡るのか・・・。

とりあえず、海側のホームを散策・・・・・

あれ?



人が住んでいる待合所
待合所の煙突から煙が・・・・・・・・




誰かいるのか!?

そういえば、牛山隆信著「秘境駅」の中で、
小幌駅に住んでいる人がいるという記述があったな・・。

でも、あれを読んだのは4年くらい前。
まだ住んでいるのか!?

私の恐怖感は、更に、更に増し、
ほとんど生きている気がしなくなってきました。

なにせ、この駅は逃げ道というのがありません。
向かいは山、反対側は海、両端はトンネルです。
笑えるほど最悪な状況です。

とにかく、こちら側のホームはヤバイ。
さっさと向こうのホームへ移ろう。

そう思って私は構内踏切を探しました。

ところが、


雪に埋もれた遮断機
踏切が雪に埋まっている・・・・・・・・




線路と線路の間の雪山を
越えていかなければならんのか?

そもそもこの踏切、列車が来たときに
音が鳴るのだろうか?


もし鳴らないで、貨物列車でも来たら・・・


いや、しかしどのみちコチラにいたら殺られる!(妄想)
トンネル内の音くらい聞こえてくるだろう、
私はそう考えて、必死に雪山を越えて、
線路を渡りました。

向かいのホームには、待合所がなく、
代わりに保線の方用の詰所がありました。

もちろん中には入れません。

この場所で次の列車が来るまでの
1時間20分を待つわけです。

無茶だ、1時間なんて待てるわけがない!

冷えた足が痛くて仕方ありません。
またいつものように足踏みして、
少しでも体を温めながら待つ以外にない。

幸い雪がやみ、青空が見えてきて
気温が少しずつ上がってきました。

少なくとも凍死はまぬがれたな、
と思ったその時!!!!!!

小幌駅に住む人が・・・・
向かいのホームに人影が!!!!!


小幌駅の住人が出てきたらしい。
ヤバイ、どうしよう。
死ぬのか?ここで死ぬのか?

真っ白な雪の中でうごめくその人影は、
まるで雪男のように見えます。

線路をゆっくりと越えて、
まっすぐとこちらにやってきました。

片手には「やかん」。
もう一方には「長いナイフのようなもの」を
持っている・・・・・・・・・

私は頭の中で、どのように闘うかを
必死にイメージしていました。
まず跳び蹴りで、その後は・・・・

しかし、近づいてくるにつれ、
殺気が無いことに気がつく。

私はためしに挨拶を試みる。

「こ、こんにちは・・・」

彼はそれには答えず、

「昨日ここに泊まった?」と質問してきました。

間髪入れずに「泊まるわけないやろ!」と
ツッコミを入れたかったのですが、
ここはちょっと抑えて、

「いや、全然、ちっとも、泊まってないです・・・
 さっきの列車で来ました・・・」

と答える。全く質問の意味が分からないですよ。

「いやね、この前も5日くらい泊まってた人がいて、
 鉄道員の人が怒ってたよ」

などと彼は答えました。

ありえねーだろー、と思いながらも、
ここで間髪入れず「あんたはどうやねん!」と
ツッコミを入れたかったですが、
ここでもちょっと抑えて話の続きを聞きます。

で、彼が言うには、
「ちゃんと許可をもらって、いさせてもらってる」
と長々と弁明。

ツッコミどころ満載な話ではあったけれど、
反論せずにいる方が身のためと思うわけで。

とにかく話の長い雪男で、
一度話し始めるとなかなか終わらない。

私は途中で面白くなってきて、
うんうん、それで、はぁ、なるほど、それでそれで?
などと相づちを打って話を聞き続ける。

で、話によると、山の方にも分家があるらしく、
そっちに住んだりここに住んだりしてるようです。

長い話が終わり、彼は私の横を通り過ぎて、
小川からやかんに水を汲んで、
住み家である待合所に帰って行きました。

なんだか不思議なひとときでした。

ひとまず殺されないことが分かって安心し、
気温も上がってきて元気になってきました。

雪男と話してからは時間があっという間に過ぎ、
列車が来る時間となりました。

小幌駅に列車が到着とりあえず、雪の中では二度と来るもんか、
と自らに誓いを立てて、
8:33の長万部行き列車に乗り込みました。



つづく


tutibuta at 22:40 │Comments(12)TrackBack(0)駅訪問日記  | 室蘭本線

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この記事へのコメント

1. Posted by MCコパ    2006年08月07日 10:43
3 小幌駅怖い、それしか言い様がありません。
2. Posted by 261@9    2006年08月07日 12:45
5 行きましたか…、小幌駅。
「長いナイフのようなもの」の正体が気になります。
あと、小幌駅のヌシの正体も…。


きっと知ってしまったシトは二度と生きて帰っては来れないのでしょうね…。怖っ。
3. Posted by つちぶた    2006年08月07日 21:31
5
>MCコパさん

雪がなければもう少しマトモに見られたかもしれませんが、
やはり怖いことには変わりないですね〜。


>261@9さん

あ、説明を省略してました・・。
「長いナイフのようなもの」は、
中型のノコギリでした。

何でそれが分かったかというと、
彼が帰り際に、木の枝をそれでたくさん切っていったんです。
たぶん薪に使うためだと思います。
でも、怖いですよね・・・そんなもん持たれたら。

旅から帰ってきて思い出したのですが、
あの待合所には駅ノートがあるんですよね。
(たしか秘境駅の本に書いてあったと思う)
さすがに彼がいる待合所をノックして入る気にはなれないけれど、
ノートを読みたいなぁとは思います。
4. Posted by ていしゃば    2006年08月07日 23:45
5
真冬に訪問されたというのがすごいです!
私もその心意気を見習わなくては・・・

小幌駅住人との会話、貴重な記録ですねー。
5. Posted by つちぶた    2006年08月08日 01:08
5
いや、あの、心意気は・・・・無いです・・・
たまたま行っただけです(笑)

あの住人がいない夏か秋に、(いついなくなるんだ?)
いつかもう一度訪問したいです。
雪が怖くて海の方へ行けませんでしたし。
6. Posted by 通りがかり    2006年09月19日 03:42
5 小幌駅+2006年で検索していたらこのページを見つけました。うえの「住人」ですが、「仙人」として有名なようですね・・・
情報を集めてるのですが、中部出身だったり、元横浜在住だったり、某連続誘拐事件の容疑をかけられた(過去形)りしているようで(容疑者という意味ではない)すね・・・
7. Posted by レチ    2007年01月11日 01:26
きょう、TBSで放送していた警察特集を見ていたら、小幌駅の仙人が衰弱した状態で、道警のヘリコプターに救助されていました。

年は60歳代で、もう十数年暮らしていたそうです。
8. Posted by ととろ    2007年05月12日 18:01
もう、小幌駅に仙人は戻って来ないのでしょうか。
一度行って見たいとオモっていたのですが。
酒とタバコを持参してお話を伺ってみたい
と思っていたのですが。
 その後の消息をご存知でしょうか。
9. Posted by かん    2007年12月12日 03:24
今も仙人はいますか?
10. Posted by つちぶた    2008年01月23日 00:48
2007年9月の事になりますが、小幌駅再訪してきました。
仙人が住んでいた待合室のような小屋は閉鎖していて、
内外に置かれていた物も全て撤去されていました。
物を撤去したのなら待合室に入れるようにしてくれたら良いのに、
とも思いましたが・・・。
もちろん仙人もいませんでした。
しかし、駅の上の方にある別宅はそのままあり、
本当にいなくなったのか確信には至りませんでした。
その内このブログで再訪問の模様をお伝えしたいと思います。
11. Posted by かにぬー    2008年03月20日 21:32
はじめまして。
小幌仙人は亡くなられました。
リンクにある私のブログを下にスクロールしていくと
解る範囲で書いてあります。
12. Posted by つちぶた    2008年03月22日 12:01
>かにぬーさん
貴重な情報ありがとうございました。
あの家の先に海岸に出るルートがあるんですね。
道が続いているとは思いませんでしたよ。
私は別ルートで海岸に出たのですが、
あの細い崖道は本来の道ではなかったのかな・・。
それにしても仙人がお亡くなりになったのは残念です。

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